こんにちは。病院の元相談員みどりです。
高齢の親の為に宅食サービスを始めよう。
どこの弁当にするのか情報集めをしないとなぁ!
というように「親のため」「家族のため」に宅食サービスを検討される方は多いのですが、元相談員として『ちょっと待った!』と言いたくなる時があります。
ご本人の意思の確認、尊重はできていますか?
これができていないとうまくサービスを継続できません。
- 本人の意思の確認は最重要!
- 本人のやりがいや希望によっては、料理キットの宅配サービスも視野に!(ウェルネスダイニング、食材宅配のヨシケイ)
今回の記事のポイントである「本人の意思の尊重」は宅食サービスに関わらず、どんな介護サービスを導入する時にも念頭においておくべきことなのでぜひご一読ください。
実際にあった本人の意思が尊重されなかった事例
私が相談員として病院で勤務していた時に実際にあった事例をご紹介します。
- 事例
- 80代の一人暮らしの女性Aさん。料理等の家事は自分で行っていました。
しかし脳梗塞を発症し、利き手が少し動かしづらくなってしまいました。
遠方に住む息子と娘はそんなAさんを心配し、介護保険の利用を検討。食事は宅食サービスを利用することにしました。息子と娘で相談し、宅食サービスを申し込み。
退院後に自宅に帰ったAさんのもとに宅食サービスが届きましたが、Aさんは宅食サービスを受け入れられずに結局サービスを断ってしまいました。
Aさんはなぜ宅食サービスを断ってしまったのでしょうか。味が好みに合わなかったから?
Aさんが宅食サービスを断ったことに、息子と娘は「せっかくお母さんのことを思って申し込んだのに、どうして?」と疑問に思っていました。
その後Aをさんと息子・娘は話し合いをされましたが、実は宅食サービスの導入について詳しくAさんに息子らから説明されておらず、Aさんも流されるがままにサービスを利用してしまったということがわかりました。
実はAさんは宅食サービスを利用したくなかったのです。
Aさんは結婚してから専業主婦として、家族の為に家事や育児に奮闘してきました。なかでも食事を作ることが好きなAさんは、料理をすることが生き甲斐でした。子供らが自立して家を出て、夫が亡くなったあともAさんにとって料理をすることは楽しみであり、生きる意欲でした。
ところが病気のために利き手が動かしづらくなり、「料理ができなくなるのでは…」と不安に感じていたAさん。今まで生き甲斐だったことができなくなることはとてもつらいことです。
よかれと思って申し込みをした宅食サービスが、Aさんの生きがい・役割を奪ってしまう結果となってしまいました。
サービスを利用する本人とよく相談を
上記の事例のようなこと防ぐには「本人と相談し、意思の確認をする」ということが重要です。
宅食サービスに関わらず、介護保険のサービスを導入する時には念頭に置いておきたいですね。
ケアマネジャーや病院の相談員も一緒に相談に乗ってくれますので、声をかけてみてください。
宅食弁当でなくミールキットも使える!
料理が今まで通りできるかどうか不安、でもやりがいはなくしたくないならミールキットを利用するという手もあります。
ミールキットとは、あらかじめメニューが決まっており、調理の工程が楽になるようにカット済みの野菜や下味付きのお肉などが届くものです。
野菜を切ったり、お肉の下処理をしたり、調味料を混ぜ合わせたりするといった手間がなくなり、簡単に1食をつくることができます。
ミールキットを届けてくれる主な業者は以下の2つ。
ウェルネスダイニング
ウェルネスダイニングは塩分制限、たんぱく質制限などの制限食料理キットがあります。
制限食が必要な方にとってとてもありがたいですね。
解凍、調理、盛り付けの3ステップで簡単に調理ができますよ。
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食材宅配のヨシケイ
ヨシケイは4つのミールキットのタイプがあります。
高齢者の方におすすめなのはカットミール。
カット済み食材が届けられるため10分~15分で2品が作れます。
生ゴミも少なく済んで、後片付けも楽になりますね。
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まとめ
今回の記事のポイント
・宅食サービスなど親のことを思ってサービス導入するなら必ず本人の意思確認を
・本人のやりがいや生き甲斐は尊重する
・食事面のサポートは宅食弁当の他にミールキットも検討の余地あり
以上の内容について、実際にあった例を交えてお伝えしました。
サービスはその人その人によって合うもの合わないものがあります。
より多くの選択肢から選んでもらえるように、情報収集していきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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