- 食事宅配サービスをいろいろ調べたけど、どれがあっているのかわからない…
- 前回利用したサービスがあわなかった…
- 家族のために取りたいけど、確認しておくことはないかな?
宅配弁当は、両親の買い物や調理の負担を減らしたり、健康的な食生活をしてもらうためにもってこいのサービスです。しかし、ブランドによって保存状態や販売システムが違い、単純に比較するのが難しいんですよね。私たちの家族では父と祖母が宅配弁当を継続利用していますが、はじめは注文したお弁当が合わず、いろいろな宅配弁当を試してきました。
そこでこの記事では、宅配弁当選びで重要な7つのポイントを解説します。この記事を読むことで、初めて宅配弁当を取る方でも失敗を限りなく少なくすることができます。
社会福祉士として病院で宅食サービスを紹介していた妻・みどりと、食生活アドバイザーの資格を持つ夫・きいろが家族の宅配弁当選びの経験をふまえながら解説します。
失敗しない宅配弁当選びに大切な考え方
大前提として宅配弁当選びで大切なのが、自分たちが宅配弁当に求めるものを明確にすること、です。
「テレビCMでよくやってて人気だから」「近所で取っている人がいるから」といって注文しても、人それぞれ求めている条件が異なるため、自分に合うとは限らないからです。
宅配弁当でテレビCMで宣伝しているものはごく一部。限られた選択肢の中から選んでしまうと「もう少し和風のメニューが多いほうがよかった」などと、いろんな不満がでてきます。
探し直しを防ぐためにも、自分や家族で納得して決めるということが大切です。
宅配弁当の選び方 8つのポイント
自分(家族)で納得した宅配弁当を選ぶために、以下のポイントについて考えてみましょう。
- 栄養バランス・制限食で決める
- やわらかさで選ぶ
- 配達状態で選ぶ
- 注文方法(電話・ネット)で選ぶ
- 量は完食できるものを選ぶ
- 価格で選ぶ
- 白ごはんの有無を決める
- 味は自分(家族)の舌で決める
栄養バランス・制限食で決める
塩分、たんぱく質などの制限がある方は、「制限食」の宅配弁当を選びましょう。家族のために取るのであれば、念のため確認しておくほうがいいです。
減塩だと味気なさそう…… と思いがちですが、そんなことはありません。減塩でもおいしく食べられるよう、出汁や香辛料を使って、工夫されています。
特に食宅便の「塩分ケア」コースでは、減塩とは思えないくらいおいしかったです。
各ブランド・各コースによって、管理されている栄養素は違います。制限がない方も糖質を気にするのか、塩分を気にするのかなど、健康的な食生活で求めるものを確認しましょう。
やわらかさで選ぶ
噛む力・飲み込む力が弱ってきていると感じる方には、やわらかく加工されているお弁当を選びましょう。
やわらかさは大まかに4段階に分かれます。
一般向け宅配弁当
食材の食感も味わえ、20~30代でも満足できるようなお弁当です。高齢者には向かないんじゃ…?と思いがちですが、実は高齢者でも食べられます。ほとんどのメニューで魚の骨が抜かれていたり、野菜の繊維もやわらかくなっているからです。
ナッシュの八宝菜はおいしかったな~
高齢であっても、噛む力・飲み込む力がそれほど衰えておらず、一般的な食事を食べている方は問題なく食べられます。
高齢者向け宅配弁当
高齢者でも食べられるように配慮した宅配弁当です。一般向けと高齢者向けの宅配弁当を分類する明確な基準はなく、一般の人もおいしく食べられます。
やわらかさは一般向けとそれほどかわりません。食材が少し細かめに切られ、食べやすさも重視されています。
やわらか食
見た目は普通のお弁当ですが、歯ぐきでつぶせるようなやわらかさになっています。食宅便の「やわらかい食事」、やわらかダイニングの「ちょっとやわらかめ宅配食」がこれにあたります。
野菜の繊維が特にやわらかく加工されており、中には口に入れるとすぐに溶けてしまうような食材もありました。
ムース食
その名の通りムース状にしたものを成形しており、舌で簡単に潰せるようなやわらかさです。噛む力・飲み込む力の衰えた方でも食べられるやわらかさです。やわらかダイニングの「ムースやわらか食」がこれにあたります。
「最近、歯が悪いのよ」というフレーズを家族から聞くことがあるかと思いますが、この「歯が悪い」にも程度があります。
入れ歯が3本あり、トマトの皮が食べにくいと感じていました。歯が悪いと思っていましたが、やわらかめのお弁当だとやわらかすぎましたね。
普段どんなものが食べにくいか確認することも、宅配弁当を選ぶ際にも大切です。
配達状態で選ぶ
宅配弁当を選ぶ際に大切なことのひとつが、配送状態の選び方。
冷凍か、冷蔵・常温かによって、使い勝手が大きくかわります。
配送状態 | メリット | デメリット | おすすめの方 |
冷凍 | 長期保存可能 保存食にも活用できる 制限食の対応が幅広い | 冷凍庫のスペースが埋まりやすい | 買い物に行くのが嫌な日など保存食として使いたい方 普段から外出が多い方 |
冷蔵・常温 | 新鮮 見守りサービス対応できる | 賞味期限が当日のものが多い | 家で過ごすことが多い方 離れて住む家族が不安な方 |
配送状態は用途や目的に合わせて決めるようにしましょう。
家族が離れたところで一人暮らしている場合は、見守りサービスつきだと安心です。
- 見守りサービスとは?
- 安否確認(見守りサービス)は配達時に異変を感じた場合、あらかじめ決めている自治体の緊急連絡先などに連絡するサービス。お弁当を手渡す際に配達スタッフが確認します。
詳しくは>>見守りサービスつきの宅配弁当3選
注文方法(電話・ネット)で選ぶ
パソコンでの買い物はやったことないから…
高齢者ご本人が宅配弁当の注文を行う場合、気になるのが注文方法。
ネットでの注文が慣れていない方もいらっしゃるかと思います。
ですが、ネット通販の宅配弁当ブランドのほとんどが電話注文に対応しています。
このランキング記事では、ナッシュを除いて電話注文可能!
代理注文(請求先と届け先が別)はすべてのブランドで対応しています。離れた家族のためにも注文できますよ。
価格は1食あたりの値段(税込・送料込)で比較しよう
宅配弁当を取ったとしても食費はなるべく抑えたいですよね。ですが、各ブランドの料金システムが違うため、どれが安いのかが判別しにくいんです。
値段を比較する鉄則は、税込・送料込の1食あたりの値段で比較すること。
一般的に宅配弁当は400円~700円くらい。
600円を超えるものは食材にこだわっていたり、宅配弁当にプラスアルファの付加価値がついているものが多いです。
一方で値段の安いものを選ぶと量が少なくなりがち。
値段の割に量が多いお弁当は、ほとんどありません。
量は完食できるものを選ぶ
「万が一足りなかったら困るし、量が多いものを選んでおこう」と思いがちですが、量は適量。完食できるものを選びましょう。
「完食できる」というのは食事の満足度にかかわるからです。
残すのはもったいないと思ってしまいます。食べ物を粗末にしている感じがしてしまいます。
まずは一度、適量だと思うものを試してしてみて、多すぎる・少なすぎるのであれば、変更も検討しましょう。
白ごはんの有無で決める
宅配弁当を注文する際は、白ごはんが必要かどうかも考える必要があります。
- 炊飯機でお米を炊くのが大変…
- ひとり分だけご飯を炊くのは面倒…
という方は白ごはんつきのお弁当を検討してみましょう。
白ごはんつきの宅配弁当は、冷凍だと取り扱いが少なく、冷蔵・常温のものに多くあります。
「サトウのご飯」のようなパックご飯で代用するのもよいでしょう。
1食でお茶碗に少なめ1杯ほどしか食べないので、宅配弁当とパックご飯をセットで食べています。
白ごはんつきの宅配弁当の解説記事
味は自分(家族)の舌で決める
最後の選び方のポイントは「味」です。味を選ぶときのポイントは、先の7つのポイントで決めた宅配弁当の最終確認として使うこと。
味は人によって好みや感じ方がかわるからです。こればっかりは、自分(家族)自身で食べて確かめるしかありません。実際に試してみないとわからない味よりも、先に7つのポイントで家族の生活スタイルに合うお弁当を選ぶほうが失敗は格段に少なくなります。
当サイト「えんと弁当」では、60~80代の感想を中心にのせています。家族の生活スタイルに合う宅配弁当を選んだあとに参考にしてください。
60~80代の家族の意見をもとにランキング
>>シニア・高齢者向け宅配弁当ランキング(準備中)
高齢者の宅配弁当選びの注意点
先ほど解説した7つのポイントに比べると重要度は低いものの、見落としてはいけないポイントがあります。
- 電子レンジを使えるか?
- 冷凍室に余裕があるか?
病院の相談員として宅配弁当を紹介していたときは、どちらもかかさずチェックしていました。
電子レンジを使えるか?
宅食で冷凍や冷蔵タイプのものは自分で温めて食べなければなりません。それには電子レンジを使いますよね。自分が不自由のない生活と「ワットを設定してボタンを押すだけ。さすがにできるでしょ」と思いますが、ここに落とし穴があります。
- 目が見えにくくなり、電子レンジのボタンが見えづらい
- 後遺症で麻痺が残っていてボタンを押しにくい
- ボタンが固くて押せない
- 認知症疑いがあり、使い方を覚えられない
意外と電子レンジを使うのは大変なのです。
冷凍の宅食サービスを依頼する際には、電子レンジを使ってひとりでも解凍できるかを確認しておくようにしましょう。
冷凍室に余裕はあるか?
冷凍の宅配弁当の配達頻度は週1回~月1回。ある程度の量がまとまって送られてきます。
そのため、冷凍室にお弁当を入れるスペースを確保する必要があるのです。
高齢者で一人暮らしの方に多いのが、次の2点。
- ひとり暮らしのため、小さい冷蔵庫を使用しており冷凍スペースが狭い
- 普段から冷凍食品を買いだめしており、お弁当を入れるスペースがない
冷凍の宅食サービスを始める際には、冷凍庫の確認をしておきましょう。
冷凍庫のスペースが狭い方は、週1回で配達してくれる業者を選び、1回に持ってきてもらう量を少なくしましょう。
宅配弁当の選び方8つのポイント まとめ
- 栄養バランス・制限食で決める
- やわらかさで選ぶ
- 配達状態で選ぶ
- 注文方法(電話・ネット)で選ぶ
- 量は完食できるものを選ぶ
- 価格で選ぶ
- 白ごはんの有無を決める
- 味は自分(家族)の舌で決める
ポイントは味を決めるのを一番最後にすることです。味よりも大切なのは、自分や家族が宅配弁当の求めるものを洗い出すこと。味は同年代の意見を聞けばある程度わかるものの、結局は自分で食べてみないとわからないからです。
家族と話し合って、ただ食べるだけでなく生活を豊かにできる宅配弁当を探してみてください。
迷ったら、コレ!
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